ブラジルで実感、英語との付き合い方
在巴西切身感受和英語的相處之道


前リオデジャネイロ支局員 小寺以作

讀賣新聞里約熱內盧分局前特派員
 小寺以作

南米を初めて訪れる日本人が、ちょっとした驚きとともに口にする言葉がある。
初次造訪南美的日本人,總有句與驚訝同時說出口的話。

「本当に英語が通じないんですね」。
「真的無法用英語溝通呢。」

そう、南米はほとんどが、スペイン、ポルトガルの植民地だった影響で、首都でさえ英語が通じにくい。人口約1億9000万人、経済成長の著しい新興国のブラジルも例外ではない。
是的,因為南美各國幾乎曾經都是西班牙、葡萄牙的殖民地,就連在首都也很難用英語溝通。人口約一億九千萬,經濟成長顯著的新興國家巴西也不例外。

だが、この国では、外国人が、意志の疎通に苦労することはあっても、そのことで不快な思いをすることは少ない。多くのブラジル人が、英語がしゃべれなくても、母国語のポルトガル語に身ぶりを交え、相手が理解できるまで何度でも丁寧に説明してくれるからだ。

但是在這個國家,即使外國人會因為溝通障礙而感到辛苦,卻很少因此產生不愉快的情緒。這是因為多數的巴西人即使不會說英語,也會用母語的西班牙語加上比手劃腳,仔細說明好幾次直到對方聽懂為止。


自分が英語をしゃべれないことに引け目を感じず、相手が、ポルトガル語が出来なくても、見下したり、話を途中で打ち切ったりしない懐の深さ。さすがは、イタリアやドイツ、シリア、アフリカなど、多様な国や地域の出身者からなる移民国家だと感服を覚える。

他們的心胸寬廣,不以自己不會說英語而感到次等,也不會因為對方不會說葡萄牙語而輕視他或說到一半就止住話題。這行為不禁讓人感到佩服,真不愧是以來自義大利、德國、敘利亞、非洲等各國各地區的人所構成的移民國家。


一方、南米の空港では、職員が英語をしゃべれないことに腹を立て、興奮して早口でまくし立てる米国人の姿をよく見かける。逆にキューバの首都ハバ ナなど、有名観光地では、こちらがスペイン語でしゃべりかけているのに、執拗(しつよう)に英語で返し続ける職員もいる。
いずれにしても、気持ちのいいものではない。
另一方面,經常可以在南美的機場看到美國人因為工作人員不會說英語而感到氣憤、過於激動反而更加快速地只顧著說自己想說的話。反觀在古巴的首都哈瓦那等有名的觀光景點,明明對方就用西班牙語在搭話,硬是不斷用英語回答的工作人員也大有人在。不管是哪一種,都不是讓人舒服的事。


米国の中南米に対する抑圧的な外交政策を「帝国主義」と断じるベネズエラのチャベス大統領に感化されたわけではないが、この二つのケースには、世界中の人々が英語をしゃべれて当たり前という「英語帝国主義」のようなものを感じるからだ。

我並非受到斷言美國對中南美壓制性的外交政策為「帝國主義」的委內瑞拉總統感化,但我確實從這兩種情況中感覺到,世界上所有人都會說英語是理所當然的「英語帝國主義」。

ただ、私も人のことを言えた義理ではない。学生時代は、完全に「英語帝国主義」に毒されていた。英語がしゃべれないことに劣等感を抱き、豪州留学を経て、韓国を旅した時は、英語が通じないことにいら立ち、帰国後は、外国人と見るといきなり英語で話しかけた。随分、失礼なまねをしたものだと猛省している。
不過,我也沒有什麼資格說別人。在學生時代,我曾經徹底被「英語帝國主義」荼毒過。對於不會說英語這件事感到矮人一截,在經歷澳洲留學之後,去韓國旅行時,因為無法用英語溝通而煩躁不已;回國後,只要看來是外國人,我總會很突兀地用英語搭話。做過如此失禮的事情,我已經在好好反省了。

だが、日本では今も、世界のほとんどの国で英語が通じると思い込んだり、英語がしゃべれないことに劣等感を抱いたりしている人が多いのではないだ ろうか。重圧や劣等感が、学習意欲を高めるケースもあるのだろうが、英語嫌いにつながる危険性だってある。だとすれば、何とも、もったいのない話だ。

但是,現在在日本是否仍有很多人以為,幾乎世界上所有國家都可以通用英語,或是對於不會說英語而感到自卑呢。或許也有個案的情況是壓力和自卑感可以提高學習意願,但那也有導致厭惡英語的危險。真變成這樣的話,實在是相當可惜。


ブラジル人のように英語がしゃべれなくても、おおらかに構えてみてはどうだろう。「ここは日本で、自分は日本人なのだから、日本語で説明したらい い」。そう割り切れたら、もっと、気楽に外国語や外国人と付き合うことが出来るのではないか。そうすれば、外国語の勉強だって、ぐっと楽しくなるはずだ。
那麼,何不像巴西人一樣,即使不會說英語,仍表現得落落大方呢?「這裡是日本,而我是日本人,所以只要用日語說明就好了。」能這樣切割的話,或許能更輕鬆地和外語及外國人相處。這樣一來,學習外語肯定也能搖身一變成為快樂的事。

様々な言語が飛び交うブラジルに住み、日々、ブラジル人と接していると、そう思わずにはいられない。

住在各式各樣語言交錯的巴西,每天和巴西人接觸的我,無法不這麼想。


写真:リオデジャネイロの軽食店で、おしゃべりを楽しむ人々。
欧州系、アジア系、アフリカ系と様々な人種が混在している(小寺以作撮影)
照片:在里約熱內盧的小吃店內愉悅聊天的人們。
有歐美人、亞洲人、非洲人等不同人種。(小寺以作拍攝)

arrow
arrow
    全站熱搜

    zerotime 發表在 痞客邦 留言(0) 人氣()